自己免疫性肺胞蛋白症の薬事承認の推進
Leukine吸入療法による肺胞蛋白症の新治療実用化を目指します
「自己免疫性肺胞蛋白症」は、肺胞と呼ばれる肺の一番奥にある袋に老廃物が溜まり徐々に呼吸困難が進行する稀少肺疾患です。我が国に3300人の患者さんがいます。標準治療は、全身麻酔下で片肺を20〜30Lの生理食塩水で洗う全肺洗浄法です。これに対して、我々は「Leukine」という蛋白を1日20分ほど吸入して治す治療を開発中です。すでに治験は終了し、薬事承認申請の手続きが進んでいます。
Leukine吸入療法の実用化に向けて
- 自己免疫性肺胞蛋白症に対するヒト組み換えGM-CSF吸入療法は2000年に東北大学の田澤、貫和らにより試みられ、その後100例以上の臨床研究を経て2016年、酵母由来組換えGM-CSF(Leukine)吸入療法の医師主導治験(PAGE試験)により有効性が検証されました(Tazawa et al. The New England Journal of Medicine , 2019)。
- ノーベルファーマ社は、同症に対するLeukine吸入療法の実用化のために製造販売元であるPartner Therapeutics社(米国Boston)と交渉し、薬事承認申請を計画しています。
- 先進医療開拓部門では、ノーベルファーマ社による薬事承認申請に協力します。
- 先進医療開拓部門では、PAGE試験に被験者のコホート調査を試験に参加した12施設と協力して進めています。患者の長期予後を調査し、薬事承認資料の作成に貢献します。