自己免疫性肺胞蛋白症に対するGM-CSF吸入療法
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肺は3億個の肺胞からできている
ヒトの肺には、およそ3億個の肺胞という袋と、袋からの空気の通路となる気管支、肺胞の回りの毛細血管があります。肺胞の表面にはサーファクタントという粘液が存在し、呼吸の際に肺胞がつぶれないように形を保つのに重要です。健常者では新しいサーファクタントの産生と古くなったサーファクタントの処理がうまく調節されていますが、古いサーファクタントの処理がされなくなって肺に蓄積してしまい、肺の主な働きである酸素を体に取り込むことができなくなるのが肺胞蛋白症です。
サーファクタントの分解は肺胞マクロファージという細胞が担っており、肺胞マクロファージが元気に働くにはGM-CSFというタンパクが必要です。
自己免疫性肺胞蛋白症の方の体では、このGM-CSFの作用を妨げてしまう抗体ができてしまっており、そのため肺胞マクロファージが働けず、結果としてサーファクタントが蓄積して発症します。
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自己免疫性肺胞蛋白症の患者に対する全肺洗浄術
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左の手術で回収された肺胞洗浄液
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ジェットネブライザーによる吸入療法の様子
現在の標準治療は全身麻酔下で20~30Lの生理食塩水で肺を洗浄する全肺洗浄術ですが、体への負担も大きい治療法です。
我々は新たな治療法としてGM-CSF吸入療法の治験を行い、有効であることを証明しました。
日本全国で自己免疫性肺胞蛋白症の患者さんが保険診療でGM-CSF吸入療法を受けられるように、ノーベルファーマ社による発売を目指しています。
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