活動の概要
通常の診療では、達成できないような高度な医療技術による先端的な診療は、大学病院が国民から求められているニーズです。実現には、大学のみの取り組みでは、不十分であり、産学連携による資金の集約化と専門家の結集が必要です。高度医療の実現を目指して2019年に設立されたのが、新潟大学医歯学総合病院高度医療開発センターであり、その一部門として2020年4月に発足したのが、先進医療開拓部門です。
部門は、5人の職員と2人の事務補佐員からなり、医学部呼吸器感染症内科、歯学部口腔外科および歯周病科と連携しつつ事業を進めます。部門の運営資金は、ノーベルファーマ株式会社とコージンバイオ株式会社が出資しており、新潟大学と共同研究契約を締結し、本部門と両社のスタッフが協力してミッションに取り組みます。
プロジェクト紹介
先進医療開拓部門は「歯科再生医療の実現」と「呼吸器難病の新治療開拓」という大きく分けてニつのプロジェクトに取り組みます。
前者は、様々な顎口腔疾患が原因で失われた歯槽骨や顎骨を再生し、本来の容姿とともに、噛む、話すといた口腔の機能を回復することが目的です。後者は、「肺胞蛋白症」や「非結核性抗酸菌症」といった難治性呼吸器疾患に対して「Leukine」という蛋白質を吸入で投与する治療の実用化を目指します。また、「シロリムス」という薬の新薬効を見つける「シロリムス新作用研究会」の運営にもあたります。
歯科再生医療の社会的実現
(歯科再生医療プロジェクト)
培養自家骨膜細胞を用いた再生医療を推進します。
- 疾病や外傷などで失われた顎と口腔機能に対する治療の実用化
- 歯周病における歯周組織再生治療の実用化
- 退縮した歯槽骨再生による安全なインプラント治療の適用
呼吸器難病の新治療開拓
(呼吸器難病プロジェクト)
難治性呼吸器疾患の新治療開発を推進します。
- 「自己免疫性肺胞蛋白症」に対する新治療の
実用化 - 「非結核性抗酸菌症」に対する新治療の実用化
- 「シロリムス新作用研究会」の運営
組織と役割
活動計画は、本部門のスタッフに加えて、歯学部口腔外科と歯周病科の歯科医師、呼吸器感染症内科医、およびノーベルファーマ株式会社とコージンバイオ株式会社との合議で決められます。
それぞれのプロジェクト毎に、定例会議を開き、
- 予算案の策定
- 実施計画書の作成
- 規制当局との交渉
- 臨床試験の計画立案
- 臨床試験の実施(調整事務局業務、被験者リクルート、治験届、IRB申請)
等を行います。