研究対象の疾患

原発性免疫不全症(PID)

■主任研究者
東京医科歯科大学 臨床試験管理センター/遠藤明史
防衛医科大学校 小児科/今井耕輔

想定される薬効機序

mTORは、免疫応答の調節において中心的な役割を果たし、T細胞、B細胞、単球、好中球の機能に関与している。またmTOR経路の障害により、免疫細胞の増殖や分化が障害されることも知られている。mTORC1の阻害剤であるシロリムスには、これらの経路を阻害することで、各免疫細胞の増殖・分化に影響を与える事が報告されている。

疾患における効果

原発性免疫不全症とは遺伝的に免疫機構のどこかに異常を有する疾患の総称であり、この中にmTOR阻害剤の効果が期待される疾患がある。 APDS、CTLA-4ハプロ不全症などは、mTOR経路の異常活性化が生じることが分かっており、海外より有効性に関する症例報告がされている。これ以外にもmTOR経路の異常を有する原発性免疫不全症は複数知られており、これらを包括する疾患概念も提唱されてきている。

実用化までのロードマップ

2021年に原発性免疫不全症に対しての医師主導治験を開始した。2025年3月に治験終了予定である。

治験の状況

現在被験者登録、シロリムスの投与が進行中である。