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シロリムスがCovid-19感染の治療薬候補として有望

2020年12月14日/研究の動向

新型コロナウイルス感染症に対する新治療薬への期待が高まる中、シロリムスが治療薬候補として有望であるという報告があります。シロリムスは、動物モデルにおいて蛋白合成を抑制し、老化を遅らせ、肥満を阻止しますが、同時に炎症性サイトカインであるIL-2やIL-6の産生も抑制します。そのため、Covid-19肺炎におけるCytokine stormの阻止にも役立つのではないかと期待されています。ウイルスの増殖を直接抑制するRNA合成阻害薬と異なり、ウイルスの変異の影響を受けないというメリットもあります。また、ウイルスは細胞増殖にともない、増殖することも分かっているので、シロリムスによる宿主細胞の増殖抑制がウイルスの増殖抑制にも繋がると考えられています。

文献

  1. An Update on Current Therapeutic Drugs Treating COVID-19.
    Wu R, Wang L, Kuo HD, Shannar A, Peter R, Chou PJ, Li S, Hudlikar R, Liu X, Liu Z, Poiani GJ, Amorosa L, Brunetti L, Kong AN.
    Curr Pharmacol Rep. 2020 May 11:1-15. doi: 10.1007/s40495-020-00216-7.
  2. Network-based drug repurposing for novel coronavirus 2019-nCoV/SARS-CoV-2.
    Zhou Y, Hou Y, Shen J, Huang Y, Martin W, Cheng F.
    Cell Discov. 2020 Mar 16;6:14. doi: 10.1038/s41421-020-0153-3. eCollection 2020.
  3. Rapamycin as a potential repurpose drug candidate for the treatment of COVID-19.
    Husain A, Byrareddy SN.
    Chem Biol Interact. 2020 Nov 1;331:109282. doi: 10.1016/j.cbi.2020.109282. Epub 2020 Oct 6.